【下町ロケットというドラマ】
10年ぐらい前でしょうか。『下町ロケット』というドラマがありました。
車の製造がオートメーション化され
優秀な技術者をクビにした大企業と、
その優秀な技術者のいる下町の中小企業とが
ロケット開発を巡って対立する話です。
結局、大企業が負けるんですが、
そのドラマを思い出しながら、昨今の生成AI騒動を考えてます。
【ジブリ風に描ける写真と職人気質】
一時期、自分の投稿した写真やイラストが
ジブリ風になる! という話題が世間を席巻しました。
著作権上の問題で、もう出来なくなったようですが、
AIが大量に、しかも容易に二次創作をしている現状に、
リスクが高くなると警鐘を鳴らす人もいます。
そう、大企業が大量に、容易に機械化を推し進め
一定のレベル以下の職人を追放したように
一定レベル以下のイラストレーターは
食っていけなくなる。
【AI時代のあらたな創作の倫理とは】
AIの高速なアウトプットは、従来の「創作行為」とは違っていますが、すでに「出来る」ことがわかってしまった。
大企業が一定のレベルの車を量産するように、
一定レベルの小説が量産されていく。
街にあったラーメン屋や定食屋が、ファミレスチェーン店で
消えていくようなもの。
その代わり、安いコンビニやファーストフードが幅を利かす。
こんなAI時代における新たな創作の倫理とはなんでしょう。
【個性とAI】
AIは、すでにある個性や作風はマネできますが、
今後現れる作風や個性は生み出せません。
ネットで作品を発表すればするほど
AIに作風や個性を盗まれる可能性がある。
努力すればするだけ、楽をして稼ぐ人が増える。
努力を放棄する人も出るかもしれませんね。
【創作の魂】
AIによる模倣が瞬時に大量に行われる現状。
創作の魂が切り貼りされてしまう、と感じる
クリエーターもいるそうです。
ある文章はさくらももこ風。
こっちのほうは岸本葉子風。
まぜて、と言われりゃやってくれるのが生成AI。
1995年以降、インターネットで気軽に文通できるようになったその時から、こうなるのは見えていたかも。
【では、どうすればいいのか】
倫理って言うから、難しくなるんです。
結局、自分が文章を書いて相手に届けるとき、
相手も自分もどんなふうに考えているか、
そこさえ抑えれば、炎上問題も、
他人の文章勝手に模倣問題も、
簡単に片付くのでは。
自分がラクになるから相手を切り捨てた、
あの大企業みたいになってはいけません。
創作もコミュニケーションも技術も
すべて、「相手を思う」という気持ちがあって
はじめて生きてくるのだとわたしは考えます。
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