【猛獣注意! 新居にイノシシが襲来】
このあいだ、週末の合唱サークルの休憩時間で、衝撃的な話を耳にしました。なんと、イノシシが指導の先生の一軒家の中に侵入し、台所を荒らし回ったというのです。
床は泥で覆われ、大切にしていた食器は粉々、台所全体が無残な姿になってしまったとのこと。被害の様子を聞いた会員たちは、絶句するほどの衝撃を受けました。
「先生、山の中に住んでいるんでしょう?」
サークルの中でも特に話し上手として知られるDさんが、場の緊張を和らげようと、優しく微笑みながら尋ねました。
先生は、肩を落として弱々しい声で答えました。
「違うわよ、ちゃんと考えて街の近くに建てたのよ……」
必死な様子でその家の周辺環境について、コンビニエンスストアがすぐ近くにあることや、大きなガスステーションも徒歩圏内にあること、決して辺鄙な場所ではなことを力説しました。
そして先生は、深刻な表情を浮かべながら、心配そうに言葉を添えました。
「最近は、野生生物が頻繁に街中に姿を見せるようになってきているわよね。本当に気をつけないといけないわ」
【都市開発がもたらす影響】
日本各地で、豊かな野山が次々と開発され、新築の住宅地が広がっていく様子を目にします。その結果として、山に住む野生動物たちは、生活の場を追われ、食べ物を探して人里へと降りてくるようになっています。
恐らく、先生の住居は、そうした野生動物たちの新しい移動経路上に位置していたのではないでしょうか。この問題は、イノシシだけに限りません。
最近では、山から人里に下りてきたカラスたちが、豊富な食べ物に恵まれすぎたためか、これまでにない行動を見せています。
例えば、石をくわえて高く舞い上がり、それを意図的に落として通行人にケガを負わせるという事例が、地方紙で報道されていました。
さらに深刻な事例として、クマが国道まで下りてきて、その対応に当たった猟師が発砲。しかし、その後、その猟師が警察に逮捕されるというとんでもない事態も発生し、その様子は動画でも広く拡散されていました。
このように、野山を巡る人間と野生動物との関係は、日に日に複雑さを増し、さらに理不尽な状況を生み出しています。
【人が減っている】
しかもさらなる課題として、日本の人口減少という現実があります。
人口が減っていくのになぜ新たに山を切り開いて住宅を建てる必要があるのでしょうか。
すでに整備された市街地の土地を活用する選択肢は、なぜ検討されないのでしょうか。
山の持ち主という概念は、比較的新しいものだと聞いています。
自然を所有するということを主張するなら、責任もあるはずだと思うのですが、みなさんはどう思われますか。
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